アメリカ系の大手ピザ店「ドミノ・ピザ (DOMINO’s PIZZA)」がイタリアからの撤退を発表
コロナ期にイタリア国内のピザ屋の多くがデリバリーを開始したこと等が理由にあげられていますが、多くのメディアはイタリア人の「ピザに対する拘りに負けて敗退」とセンセーショナルに報道されました
アメリカのピザがイタリアのピザに劣るということはないと思いますが、場所が変わればそれぞれの習慣や食文化の違いがありますよね。日本のピザはアメリカ経由で入ってきていることが多いので、やっぱりイタリア人が考えるピザの間隔とはちょこっと違う部分もあります
今回はイタリア特有のピザ(ピザ屋さんも)の考えと国際的(ここではアメリカンピザの例)なギャップをご紹介
ピザは夕食
イタリアでは ピザ=夕食 という認識が強いです
ピザの発祥地は南イタリアのナポリとされていて、この地域では昼食時(13時~15時くらいの間)はお店等が一旦クローズして、家に帰宅してランチをとるという習慣があります。外食の殆どが夕食なので、昼間の利用客は少なくなります。ピザ屋さん、特に薪を使うトラディショナルなピザ屋さんは焼き窯や生地を準備する時間も必要で、ニーズが少ないランチのためにそれを準備するのも大変ですし、客が殆どこない時間帯も含めてずっと窯を温めているわけにもいきません
と、いうことでピザ屋さんは夜のみ営業というのが習慣でした。レストランでピザメニューがある場合でもランチではピザを提供していない所もよくあります
最近はお昼休みを取らずに営業することも多くなったり、観光客のニーズなどの関係から、ミラノやローマ等の都会ではランチにピザを出すお店も多くなりましたが、古い習慣が残る南イタリアや小さな町では相変わらずピザ屋さんは夜のみの営業です
シーフード類のピザのトッピングは好まれない
エビやイカやムール貝がのったシーフードピザはイタリアの伝統的はピザ屋さんでは存在しないことがよくあります
イタリアではシーフードとチーズを一緒に取る習慣がないこともあり、わりと不人気なんです。「新鮮で繊細な魚介類はピザなんかに乗せるより別に単品で食べたほうが美味しい」ということもあるようです
ピザはどちらかというと庶民的食べ物。どちらかというとファーストフードに近いんですね。だからシンプルで安価なトッピングを好むようです。だから、ピザのトッピングでお魚系なのはツナかアンチョビーくらいということが多いのです
タバスコをかける習慣はない
ピザやパスタにタバスコというのはイタリアではNG。だからピザ屋さんやレストランにタバスコを置いていないこともあります。ちょっとピリ辛系の場合はペペロンチーノを浸したオリーブオイルを頼むととよいでしょう
他国では当たり前でもイタリアではあまり見かけないピザ
上記がイタリアでよく感じる独自の「ピザ観」の一部ですが、シーフドピザの他にイタリアのピザ屋さんであまり見かけないものの主なものもご紹介します
- ハワイアン (ハムとパイナップル)
- チキン&ピーマン
- ひき肉やチェダーチーズ等にペッパーソース
逆に、イタリア人が好む(必ずメニューにある)トラディショナルなものは……
- マルゲリータ(トマトソースとモツッアレラチーズ、バジリコ葉)
- ロマーナ(トマトソースとモツッアレラチーズ+ハム)
- ナポリ(トマトソースとモツッアレラチーズ+アンチョビー)
- マリナーラ(トマトソース、ガーリック、オレガノ)
など。その他、モツッアレラチーズやゴルゴンツォーラなど4種のチーズのみのクワトロフォルマッジョ、マルゲリータにハム、オリーブ、マッシュルーム等様々なものがトッピングされたカプリチョーザなどもポピュラーです
所変われば品変わる… 食文化って面白いですね~